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大倉燁子サバ読み伝説

 戦前から活動している珍しい女流探偵小説作家であった大倉燁子、晩年は探偵作家クラブの会合などにも参加し、探偵小説文壇での交流を深めていた。そして昭和35年に逝去。『探偵作家クラブ会報』に載った訃報記事では明治23年生まれの享年70歳。ところがその後大倉燁子の年齢詐称が明らかになった。大体4歳ばかり常にサバを読んでいたようだが、若く見えたので皆疑いもしなかった様子。中には60代の頃の大倉燁子を50代だと思っていて、実年齢を知ってびっくりした、という人もいたとか。
 以上サバ読み伝説の大要。一部筆者の勝手な想像による脚色あり。

 大倉燁子、本名物集芳子。『一九四八年版探偵小説年鑑』(岩谷書店)の「探偵作家名鑑」にはこうある。
 大倉燁子。明治二三年生まれ。
 ところが今一番信用出来そうな資料である『「青鞜」人物事典』によれば、生年は明治19年。父親である物集高見についての研究資料や、兄の物集高量の手による著書などからもこれは明らか。

 オフィシャルな組織である探偵作家クラブの「名鑑」にしてこれだもの。徹底したサバ読み。女心とは斯くも凄まじきものか。
(記 2001/9/3)

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