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米田三星=米田庄三郎

 鮎川哲也『幻の探偵作家を求めて』は、戦前・戦後のいまいち正体がわからない探偵作家を多く取り上げ、その消息を探り、当時の貴重な証言を得ている好著ですが、米田三星を取り上げた「ミステリーの培養者・米田三星」を読んでいて気になる記述を発見。

 米田三星が小酒井不木の作品に触発されて「生きている皮膚」を書いた、というのは前に読んだ時にチェック済みでしたが、今回改めて附録として収められている米田三星の未発表原稿「森下雨村さんと私」を眺めていたところ、こんなことが書いてありました。

書き上ると活字にしたくなるのが人情、と言っても不木さんに見てもらうのは気がひける。と言うのは面識はないが、不木さんの著書「闘病術」に就いての私の質問に、多忙な不木さんが数枚に亘る叮嚀な教示を下さったことがあるし、

「闘病術」についての質問? 不木さんが数枚に亘る叮嚀な教示?
 となればその手紙が残っているのではないか、と気になるのは当然。さっそく、「翻刻ライブラリ:書簡編」を参照してみると――

「米田庄三郎氏宛 九月二十五日発」

 あるじゃないか(米田三星の本名が、米田庄三郎)。

 脊椎カリエスの治療についての手短なアドヴァイスなので、米田三星の文章にあるのがこれ、というのとはちょっと違いますが、同姓同名の別人への手紙とはちょっと考えづらい。
 昭和4年小酒井不木没、昭和6年米田三星デビューと、ちょうど入れ替わるような形で接することは無かったと思われていた二人の探偵作家ですが、意外なところで直に接触していた、というお話でした。

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