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小粋にイタリアンなお話

 http://www.fantascienza.com/edf/articoli/kappa-japan-pre50.html ※2009年1月現在リンク切れ。

 上記URLは何かというと、イタリア語で書かれた文章なのである。
 タイトルは「La fantascienza giapponese d'anteguerra un profilo storico-letterario」、筆者はLorenzo Capelliniという人。
 オンライン翻訳サービスの力を借りて無理やりタイトルの意味をとると、「戦前日本SF史」というような事らしい。何でこんなの書いているのか、実に酔狂なイタリア人だ。しかもこの人はさらに酔狂な事に、小酒井不木の「恋愛曲線」をしっかり日本古典SF作品として本文中で紹介してくれている。以下紹介文の引用。

Ren'ai kyokusen (Il grafico dell'amore, 1926), di Kozakai Fuboku e un'elaborata rilettura di un tema classico della letteratura giapponese, il doppio suicidio d'amore, in questo caso operato attraverso un complicato e grottesco meccanismo;

 翻訳サービスにかけてみた結果がこれ。

「レン 'ai kyokusen (愛、1926のグラフ)は、 Kozakai Fuboku についてこの場合複雑な、そしてグロテスクなメカニズムを通して操作される日本の文学、愛のダブル自殺、の古典の主題の精巧な rilettura である;」

 狂人の日記みたいになってしまうので不肖私めが適当に単語を並べ直して意味が通るように試みたものが下記の文章。根本的に文法から間違っているかもしれないが許せ。「rilettura」は単語の意味がわからない。

 小酒井不木作「恋愛曲線」(愛についてのグラフ、1926年)は、複雑でグロテスクなメカニズムによって完全制御された「情死」――日本文学の古典的なテーマ――の精巧なriletturaである。

 それにしても何を参考文献にしたのか知らないが、「新青年」「科学画報」なんてタイトルは出てくるわ、海野十三を「サイエンスフィクションの父」として長めに紹介しているようだわ、平林初之輔の「人造人間」、城昌幸の「ヂャマイカ氏の実験」、星田三平の「せんとらる地球市建設記録」などのタイトルも見えるわで、とにかく凄いのである。どうやら小松左京で終わり(確かにここまで来ると戦前じゃないし)のようだが、ちゃんと意味が取れれば結構面白い文章なのではないだろうか。
(記 2002/2/26)

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コメント

 数年前たまたま検索サイトで見つけた論考だったのですが、筆者がどのような方かもわからず、くだらない雑談のような取り上げ方になってしまいました。元記事も今や読めなくなっておりますが、結構ボリュームのある論考だったように記憶しています。Lorenzo Capellini 氏に言及した日本人のブログがいつまでもここだけで、しかもこの扱いではまずかろうと思いますので、どうか積極的な情報発信をお願い致します。
 貴重なお話、ありがとうございました。

投稿: 萌倉望 | 2009/05/08 12:12

初めまして。イタリアで15年程前にお会いした写真家ロレンツィオ・カッペリーニ氏について検索していたところ、日本人のサイトで見つけたのが唯一ここでしたので立寄らせていただきました。折角のですのでコメントを残させていただきますね。
「rilettura」(名詞)は伊語辞典で調べますと「再読、読み直し」という意味のようです。
最初のイタリア旅行で、たまたま開催されていたロレンツィオ・カッペリーニ氏の写真展に入ったんですが、ご本人さんがいらして英語で声を掛けて来られました。日本の浅草での写真など2枚程展示もされていたのですが「日本へは2回訪れたことがあるんですよ」ということでした。記念に写真集を購入しましたが、帰国してからサインももらっておけばよかったなどとちょっと悔しい思いを(笑)ここの記事を読ませていただき、写真家として日本を訪れているだけではなく、小説や日本の美学にも精通してらっしゃるのかと感じ入りました。
いや、長々とすいません。また追って私もイタリア旅行の記事などブログにアップしたいと思っておりますゆえ、そのときにはこのブログへのリンクをお許し頂ければ幸いです。ありがとうございました。

投稿: 珍 | 2009/05/06 16:29

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