SPOTLIGHT KIDS: ブラック・サバスの新ヴォーカリスト決定! WELCOME TO SABBATH, KAL….

『BURRN!』 1985.4

 “いったいどうするつもりなんだ!”と、ファンをやきもきさせていたブラック・サバスのヴォーカリストがやっと決定した。その名もキャル・スワン。マイナー系のファンの方ならご存知かもしれないが、キャルは、かつて元エンジェルウィッチのベーシスト、ケヴィン・リドルズが結成したバンド“タイタン”に在籍していて、シングル“ブラインドメン・アンド・フールス”のレコーディングにも参加している。タイタンの解散後は、アメリカに渡りエレクトラと契約したというニュースが伝わってきていた。そのキャルとブラック・サバスがいかなる形でコンタクトをとり、加入に合意したのかは不明だが、若いヴォーカリストを探していたサバスにとって若冠24歳で流れる金髪(ブロンド)の持ち主のキャルはまさにうってつけの存在だったのだろう。サウンド的に見ても、骨太で歌いあげるタイプのヴォーカリストであるキャルは、重くひきずるようなサバスのサウンドにはふさわしいのではないだろうか。キャルを加えた新生ブラック・サバスは、プロデューサーにボブ・エズリンを迎え、トロントのスタジオでレコーディングを開始する予定だ。(後略)

 多分『BURRN!』で Kal Swan の名前が初めて活字になったのがこの記事。結局、Kal の Black Sabbath 加入は無かったけどな。


(1985年、解散後に発売されたアルバム「Rough Justice」の1曲目がこの名曲「Blind Men And Fools」)

 後半は Black Sabbath のギタリスト Tony Iommi と、Lita Ford が結婚するぜお幸せに、という話題。これも無くなったというか何というか。Lita Ford は他にも Motley Crue の Nikki Sixx とか、いろんな殿方と噂になった女性アーティスト。W.A.S.P. の Chris Holmes とは正式に結婚して離婚してましたかな。


(Lita Ford ったら The Runaways で、The Runaways ったら「Cherry Bomb」なのだ。1977年、日本公演の模様だそうな。舞台向かって右側、ショートパンツでギターを弾いているロングヘアの女の子が Lita Ford。)

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METAL SPECIAL: Hurricane

『BURRN!』 1985.2

 当時人気絶頂だった Quiet Riot のギタリストとベーシスト、の兄(Robert Sarzo - Guitar)と弟(Tony Cavazo - Bass)が組んでいるバンド、ということで、まだLAのローカル・バンドだったにもかかわらずカラー2ページで紹介された Hurricane。ドラマーがこの時点ですごいおっさん顔なのが笑える。

 まさかこの後、このバンドが Lion の解散騒動に巻き込まれて、最悪の日本公演を行うはめになるとは……。

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ベーシスト: Jerry Best

 Courtney Love「America's Sweetheart」のクレジットに彼を発見して驚いちゃったの巻。それから、White Lion の Mike Tramp とも仕事をしていた。オマエ Lion 好きだなー、みたいに周りから言われなかっただろうか。

 地味で目立たず、文字通り縁の下の力持ちとなって Lion の屋台骨を支えるベーシスト。どのレビュー読んでも、Kal のヴォーカルや Doug のギター、Mark のドラムへの言及はあっても、Jerry のベースがどうとかいわれているのを見た覚えがない。
 そんな彼がフィーチャーされた「特別連載企画 パート別インタビュー」(『METALLION』Vol.4 1988.10)を見つけました。写真とインタビューは「Emi Akimoto」。

――最近のベーシストはテクニカルな方向へ進む人が多いですよね。ビリー・シーンとかギタリストのように派手でしょう? 彼らのことはどう思いますか?
J:ビリー・シーンはルックスもいいし、格好よくやってるよね。もちろん好きだよ。それなりにいいと思う。でも、僕自身はトラディショナルな、オールド・スタイルのベースが好きだから派手にしたいとは思わない。ベーシストはノリを大切にしてベーシックなビートを刻むべきで、派手な部分のためにはギタリストがいると思ってる。もちろん、テクニカルなことも勉強したし、やろうと思えば出来るよ。でも、僕の好きな音楽やバンドを考えると、大切なのはしっかりとベーシック・ビートを刻むことで、テクニックやアクションに走る必要性は全くないし、する気もないよ。ジャズやR&Bに近づく方がロックン・ロール・ベースにとっては大切なことだと思う。
――今、好きなベーシストは誰ですか?
J:クリス・スクワイアー(YES)、グレッグ・レイク、スタンリー・クラーク、ジョン・ポール・ジョーンズ、ピッキング・スタイルが好きなのはスティーヴ・ラングだね。凄くタイトな音を出す人だよ。歌えて弾ける人が好きだな。

 早弾き全盛、ゴージャスなサウンドと派手なステージが業界を席巻していた時代に、なんと真面目で地に足がついたコメントでしょう。そんな彼が考えていた自分のポジションとは?

――自分ではどんなベーシストだと思いますか?
J:控え目だね。ステージでも決して前に出ないし、派手でもない。でも、それでいいと思ってる。ひたむきに、ベース・ラインを正確に刻めばいいと思うんだ。ビリー・シーンになるより、ジョン・テイラー・タイプのベーシストの方がいいね。縁の下の力持ちタイプがいいんだ。

 やっぱり自分で「縁の下の力持ちタイプ」とか言っちゃってました。そして、彼の考える Lion のサウンドとは。

―― LION は比較的新しいバンドであるにも関わらず、様式美サウンドを継承している部分がおおいにあると思いますが、その辺りはどう思いますか?
J:確かにそのとおりだね。音はヨーロッパのサウンドに近いし、トラディショナルなスタイルと音楽性を持っていると思う。
―― LION 自身は意識して様式美サウンドを出しているのですか?
J:特に、“ここを目指すぞ!”という形で意識してはいないよ。LION はメンバー全員のカラーをミックスして音を作る。例えば、カル(スワン)は THIN LIZZY や BAD COMPANY が好き、マーク(エドワーズ)は AEROSMITH や UFO が好きで、ダグ(アルドリッチ)も僕もそれぞれ好きなバンドがいる。ところが、おもしろいことに4人をミックスしたらトラディショナルな音に出来上がったんだ。4人が今まで受けてきた影響が、様式美的なものに結びついたんだと思う。
 残念なことに、LED ZEPPELIN や DEEP PURPLE のようなバンドは今現在、存在していない。THE FIRM が出て来た時に、もしかすると彼らが様式美バンドの再来かと思ったがそれも消えてしまった……。僕は、今後 LION が5~6年とバンドを続けていて、いつか成功した時に昔の様式美を持つバンドに近づけたらと思っているんだ。それにはいいレコード会社とマネージメントが必要となるけどね。

「様式美」というフレーズも、この時代を物語るなあ。今となっては何を指しているのか、微妙にわかりづらい印象を覚えますが。それにしても、結局のところ Lion のサウンドを語るキーワードは「トラディショナル」なのだね。

 ちなみに Jerry の使用機材についても簡単に触れていました。G+Lと契約中とのこと。アンプは Mesa Boogie と Randall ですって。

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ヴォーカリスト: Kal Swan

 David Coverdale になれなかった男。Whitesnake に加入したギタリストの Doug Aldrich は バンドのリーダーでありヴォーカリストである David Coverdale との関係について聞かれ、その中でかつてのバンドメイトである Kal と、そのバンド Lion についてこんな風に言っている。

――音楽に関してはあなた達の波長はいつも同じでしたか?
D:僕とデイヴィッドの音楽の好みは、とても似ているんだ。それに僕は、カル・スワンという、デイヴィッドの大ファンのヴォーカリストと一緒に仕事をしていたからね。LION は、基本的には WHITESNAKE をモデルとして作られたバンドだったんだ。だから僕は WHITESNAKE のスタイルがどこから来ているか知っていた。うん、僕達の波長は合っていると思うよ。
(『BURRN!』2008.6)

 デビカバのディープヴォイスが好きな私としては、当然 Kal のことも好きだったわけですが。あー、やっぱり Whitesnake フォロワーだったのね。
 そういえば確か Kal Swan は一度 Deep Purple のヴォーカリストのオーディションを受けて、落ちていたっけな。やっぱり何か越えられない壁みたいなものがあったのだろうか。
 さて、そんな Kal Swan の雑誌に載っていた直筆アンケート。

1 誕生日&出身地/1963年4月20日 大英帝国スコットランド グラスゴー
2 身長&体重/183cm 約82kg
3 最も感動的なこと/ライオン
4 最も大切なこと/ライオン
5 最も怖いこと/ハゲになること
6 最も感心する人/フィル・ライノット アドルフ・クアース
7 人生哲学/血とハラワタとビール
8 実現不可能な望み/ロンドンにパブを持つ
9 理想的な一日/俺達が日本をツアーすること
10 もしもあなたを動物にたとえるとしたら? その理由は?/トラ 俺の誕生サインだから
(『METALLION』Vol.1 1986.10)

 ここで名前を挙げているのは Thin Lizzy のヴォーカリスト Phil Lynott ですか。もう一人名前の挙がっているのは、音楽と関係ない、ビール会社 Coors の創業者 Adolph Coors ですな。酒好きめ。ちょっと笑えるのは、これだけ Lion のことを最も感動的だの、最も大切だのと思っているにもかかわらず、自分を動物に例えると「トラ」にしてしまうことでしょう。正直なのはわかるが、どうせなんだから「ライオン」にしろよ。
 この『METALLION』には、Lion のドラマーである Mark Edwards のインタビューも載っていて、その後の彼らの活躍と悲劇を知っている身としては非常に胸に堪えます。

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